2023.08.02

夏。冷房の効いた朝焼け。蝉時雨は涼しく聞こえ、身体の痛みが感じられるようになった頃。魂だけだった状態から意識が身体の中にあることを知る。そういえば喉もかわいていて、あれは夢の中だったんだと気づく。静けさよ、幻想だったのですか。そうだとしたら、幻想の中に生きていたい。あの子の文だけ読まれていて、どうしてわたしの声は聞いてくれないの。わたしがからっぽだからですか。この世界に興味はないけれど、文と音楽には育てられたくて、ぷかぷか浮いているだけもいいけれど少しはわたしのこと、見てほしい、そのために、うずくまっていても目と耳だけは動かしていたい。この苦しみからどんなに逃れたくても、死ぬ以外の終わりが来ませんように。立ち向かうためのもっと強い理由を探さなきゃ。そうでないときっと簡単に折れてしまうだろうから。